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(後編)人間だからこそ生みだせる価値を、データと仕組みで創造していく

(後編)人間だからこそ生みだせる価値を、データと仕組みで創造していく

ビジネスインキュベーションの仕組みから生れた「Trinity」。システム構築からユーザーへの浸透まで一手に担い、KADOKAWAグループの成長を支えたい

Trinityは、ビジネスインキュベーションを行う仕組みと、データから実際の価値を生み出すIntegrated Data Service部の課題意識とアイデアから生れた。既存組織とインキュベーションの仕組みの両面があることで組織にもたらす価値や相乗効果について、塚本と飯島が語る。

飯島:

相乗効果は大きいと思います。先ほどの話に付け加えると、インキュベーションの仕組みの価値の一つに、計画を無理に立てて実行しなければならない、という思考に陥らないようにすることがあります。普通は、事業を受け持つ部署は年度予算を立てて、採算を意識しながら業務を遂行するのが当たり前です。ただし、採算が取れるか分からないアイデアを試しにくいデメリットもあります。だからこそ、意図的に試す場を作る必要があるのです。新しい価値を生み出すには、計画に縛られることのない取り組みと、ビジネスの種を育ててくれる組織という両輪があってこそ、企業として意味がある活動と言えるのではないでしょうか。

塚本:

僕も飯島さんと同じ考えです。チャレンジしたいことに取り組める仕組みがあり、プロダクト化する際にビジネス部門にすぐバトンタッチできるのは非常に良い組織体制だと思います。

その良さを、僕自身がまさに体感しました。『ビジネスの種』が形になった事例のひとつに、『Trinity』があります。これはドワンゴとKADOKAWAのデータを連携するKADOKAWAグループ共用のデータウェアハウスです。データ系のサービスは、どうしても単体では投資回収が難しく、資金の持ち出しが常に発生してしまうことがボトルネックなんですよね。Trinityは、インキュベーションの仕組みがあったからこそプロジェクトが前に進み、実現に至りました。

Trinityという「ビジネスの種」が生まれた背景には、KADOKAWA Connectedの会社設立が関係している。ドワンゴとKADOKAWAが経営統合を発表したのは2014年。徐々に事業や会社活動の交流が始まり、グループ全体の成長にむけてDXを推進するため、ドワンゴとKADOKAWAの二社からDXに関連する人員が集結して、2019年にKADOKAWA Connectedが設立された。

塚本:

私たちIntegrated Data Service部は、元々はドワンゴのニコニコ事業へデータプラットフォームを提供する部署でした。ドワンゴとKADOKAWAの経営統合後、様々なシナジーの創出が検討され、その中に両社間でのデータ連携がありました。ところが、既存のシステムはニコニコ事業だけで使うことを前提に構築していたので、グループワイドにデータ活用を考えるのは簡単なことではありませんでした。KADOKAWA Connectedが設立されたことで、KADOKAWAグループ横断でデータ連携可能なシステムを提供ができる組織体制は整いましたが、構想を実現するためのPoCをするための予算確保をどうするかが悩ましいままでした。そこで、飯島さんに話を持ちかけたのです。このデータ活用によってクリエイターさんの情報が連携されれば、例えば、ドワンゴが提供しているニコニコ静画のイラストレーターさんが、KADOKAWAからも作品を出版しやすくなります。クリエイターさんの価値を増やしていけると思いました。

塚本の発案というビジネスの種から「Trinity」は生まれ、1年半の歳月をかけてシステム基盤ができあがり、これからユーザーに使ってもらう浸透フェーズに入るところだ。

塚本:

業務で多く使ってもらうためには、ユーザーにメリットを感じてもらい、使いたくなるような働きかけも大事だと考えています。そのためには現場の業務やニーズをしっかり理解して、丁寧にコミュニケーションを取っていくことが必要ですね。新しいシステムは、どう使いこなせばいいのかを悩むことは当たり前ですから。

システムの内容と使い道を正しく説明するのは当然のこと。その上で大切だと考えているのは、今の業務で困っている人を見つけ、まずその人に対して『このシステムをこう使えば、こう解決する』と熱量を持って伝えることではないでしょうか。こうして1人目の共感者を作り、その人を起点にじわじわと浸透していくのだと思います。”自分ごと”だと思ってもらうOne to Oneマーケティングの考え方に近いですね。

飯島:

Trinityの事例で改めて感じるのは、システム構築から浸透まで一気通貫で手がけられるのが、KADOKAWA Connectedの価値だということですね。世の中を広く見ると、導入しただけで使われなくなってしまうシステムは山ほどあると感じています。それほどまでに、日常業務に組み込んで使ってもらうことは高いハードルなのです。ですが、そのハードルを超えるための働きかけが、何よりも重要だと思います。

そのためには、KADOKAWA Connectedという会社名ではなく、バイネームで『○○さんだったら、どうしたらいいか教えてくれる』という信頼関係を築くことも大切ですね。

塚本:

その意味でも、Integrated Data Service部にコンサルティング機能があるのは大きな価値だと思います。『新しいシステムができたらしいけれど、何に役立つのか、どう使うのか分からない』とユーザーが感じている時に、活用の仕方を広める役割を担うチームが外部ではなくKADOKAWAグループ内にいたら、気軽にあの人に聞いて使ってみようと思ってもらいやすいですよね。このような働きかけを続けてユーザーを増やしていくことは、僕たちの重要なミッションです。

こうして、船出の時を迎えたTrinity。これからの価値創造に期待が膨らむ。

KADOKAWA Connectedが掲げるビジョンは、「人々の生涯生産性を高める」だ。ここで言う生産性とは、単なる効率化やコストカットではない。自動化できる部分はDXで自動化し、人間にしかできない時間をいかに作るかを目指すものだ。あくまで主役は「人」である。KADOKAWA Connectedは、デジタル技術やエンジニアリング思考を用いて、人々がつまづきやすい障害を解決することに注力する。最後に、塚本から意志を込めて語ってもらった。

塚本:

生産性を高める目的は、ブロイラーのようにただ卵を量産することではありません。僕たちが取り組む生産性の向上は、クリエイターや編集者がコンテンツを生みだす才能やモチベーションを最大限に発揮できるよう、障壁を取り除くためにあると考えています。生産性が高まることでできた余白から、人間ならではのクリエイティビティが生まれるのだと思います。

それに、DXを進めるにしても、効率性や売上高の指標だけをひたすら追いかけても辛くなりますよね。生産性向上は誰のために、何のためにやるのかは忘れてはならないことです。

PROFILE

Chief Data Officer
塚本 圭一郎
博士課程終了後データエンジニアとして、株式会社ドワンゴ入社。2019年ドワンゴで培ったノウハウをKADOKAWAグループ内に展開して欲しいとの使命を受け、当社に参画する。①データ活用に必要な人材・基盤・ツール・データをグループに最適な形での調達、②データ活用を成功させグループ全体に展開していくためのソリューションの提供、③データ活用を効率的、効果的、健全に行うためのマネジメント体制の構築の支援をミッションにデータ関連のサービスを提供している。2021年3月当社CDO(Chief Data Officer₎就任。

Chief Tech Officer
飯島 徹
大学卒業後、ソフトウェア開発者を経てネットワークエンジニアとして新規事業立上げに携わる。コンパック(現:日本ヒューレット・パッカード合同会社)エグゼクティブ コンサルタント、課題解決と事業発展にむけたシステム設計構築、仮想化技術活用を社内外に展開。ヴイエムウェア社シニア ソリューションスペシャリスト、日本マイクロソフト社 Azure グローバル アカウント技術部 部長。Azure プリセールス技術職を経て、グローバル展開の日本大手企業を管轄する技術部隊をリード。2021年3月当社に参画、CTO(Chief Tech Officer)就任。

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