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プロジェクトストーリー

ところざわサクラタウンネットワーク構築

(前編)ところざわサクラタウン 最強のネットワーク施設へ

(前編)ところざわサクラタウン 最強のネットワーク施設へ

2020年秋、KADOKAWAによる日本最大級のポップカルチャー発信拠点「ところざわサクラタウン」がオープンした。ミュージアムをはじめ、イベントホール・ホテル・レストラン・書店・オフィス・神社など、あらゆる文化をひとつにした大型複合施設だ。

この施設におけるネットワークの安定稼働は、KADOKAWA Connectedのインフラエンジニアの活躍なくしては実現できなかった。インフラ構築を最前線で担ったInfraArchitect部 部長 東松裕通と、InfraArchitect部 0課 課長 高木萌が振り返る。

ネットワークの要件は壮大で、時間は短い。KADOKAWAの歴史に残る一大プロジェクトで内製化を決定

とろこざわサクラタウン

ところざわサクラタウン建設スタートは2018年だが、東松がインフラ構築の相談を受けたのは工事着工後の2019年、そしてサービスイン予定は翌2020年を要望としてとのこと。当時の状況を振り返り、東松は「全然時間がなかった」と言う。

東松:

オフィスや工場、ホテル、ミュージアム、ライブ配信、でも使えるネットワークを構築するという構想でした。ミュージアムではモダンアート作品の展示にネットワークを使うんです。いただいた要望をふまえると、かなり高速なネットワークと、高いSLA(Service Level Agreement:サービスの提供者と利用者の間で結ばれるサービスのレベル)が求められることはその時点で分かりました。

建設開始時において、KADOKAWA Connectedからは、おおよその要件を外部のSI企業へ伝えて見積もりを依頼していた。しかしながら、サービスインまでに間に合わない可能性と、開業後の運用保守までを見通し、KADOKAWA Connectedで一環して担うほうがよいと意思決定した経緯があったと東松は続けた。

東松:

うちのチームには、データセンタの構築経験があり、プロジェクトの規模感から大体のコスト感は概ね想定ができていました。だからこそ、外部SI企業に依頼するより当社で担ったほうがコスト面も優位性があると考えていました。当時はネットワーク要件も詰め切れていませんでしたし、外部に構築を依頼するとその後の保守もずっと頼り続けなければならない。相応の運用コストもかかり続けるわけです。それなら、自分達で要件定義から丁寧にやったほうがメリットが大きいという結論に至りました。

ところざわサクラタウンの開業は、KADOKAWAグループにとって社史に残る一大事業。しかも、オープン後は利用者が快適に施設を利用できるような運営が求められる。となると、この事業の成功が開業では終わらず、「いかに安定的に、継続可能な運営を行うか」も重要な視点だ。東松は、コストメリットや保守を見据え、巨大施設のインフラ構築という一大プロジェクトを内製化する意思決定を社内に促した。ただ、その意思決定には「内製化を行う力がKADOKAWA Connectedにある」という前提が必須となる。

東松:

メンバのスキルが高かったことが、自分達で構築できるという判断に至った大きな要素です。また、自分自身もデータセンタ構築の経験に加え、これまでメンバと一緒にプロボノ(職業上のスキルや専門知識を活かして取り組むボランティア活動)において、IT系カンファレンスへ無線LANを提供した経験などがあり、プロジェクトで貢献できる知見を保有している自負もありました。これらポジティブな要素をふまえて、内製化を行うという判断は間違ってはいなかったと思います。

内製化を決めた後、当初要件とされていたものは、時間が立つに連れて追加や変更の嵐であった。そのため、東松たちは開業三ヶ月前に改めて、ところざわサクラタウンのネットワークを使う全ての事業部や施設の関係者に2週間掛けて綿密なヒヤリングをした。声を集めた結果、ところざわサクラタウンはオフィスやホテル、商業施設やミュージアム、eスポーツなど用途が多岐にわたる分、各事業部が求めるものも実に多様であることが明らかになった。

東松:

ところざわサクラタウンで何をしたいのか、何ができるといいのか。課題の本質を探るために、来る日も来る日も、直接の対話を繰り返しました。中には具体的な手段を提案してくれる人もいましたが、提案の目的を明確にすると別の手段がbetterであることが発覚するなど新しい課題が発見される場面もあり…。また、最初は反対意見が出ても、対話を重ねるうちに『それがいいね』と納得してくれる場面も多くありましたね。多くの対話を終えた後は、要件定義です。ヒアリングで出てきた各事業部の要望を踏まえてユースケース(ユーザが行いたいことに対してシステムがどう利用されるのか)の定義を行いました。ユースケースを想像してどういうネットワークを定義するのかが最も重要なポイントだと考え、メンバにもユースケースを丁寧に検討するよう心がけてもらっていました。

各事業部からの要件ヒアリングを経て、ネットワーク構成の要件が固められた。概略を簡単に説明するならば、大手町にあるデータセンタと、ところざわサクラタウンを60km弱のダークファイバで伝送装置(DWDM)で接続する。サクラタウン内のサーバー間は100Gbpsで繋ぐため、全体的に超広帯域かつ超低遅延、高いSLAのものを構築することだと東松が教えてくれた。いずれにしても、数多くの対話を重ね、顧客の声を元に解像度高く要件定義を行ったことで、この壮大な要件を叶えるインフラ構築を短期間で完成させるという、極めて難易度の高いプロジェクトが本格始動した。

ところざわサクラタウンと大手町のDC、メインDCの構成

PROFILE

InfraArchitect部 部長
東松 裕通
2008年株式会社日立製作所へ入社、ネットワーク機器の仕様策定やテストエンジニアとして従事。合同会社DMM.comに転じ、MVNEの移行企画、ISP事業の立ち上げ、ネットワーク運用やセキュリティに携わる。2017年ドワンゴ入社、ネットワークチームを立ち上げた後、2019年KADOKAWA Connectedに転じ、InfraArchitect部 部長としてデータセンタやネットワーク運用、セキュリティ、インフラ関係の調達全般などをリードしている。

InfraArchitect部 0課 課長
髙木 萌
株式会社朝日ネットで全国規模のISPのネットワークエンジニアとして従事した後、2020年4月にKADOKAWA Connectedへ入社。InfraArchitect部においてオフィス系ネットワークのプロジェクト進行の上流工程を担当するサービスオーナーとして、設計、構築に従事している。

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