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自社開発サービス

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(後編)今ある不便をなくしていきたい。自社サービス開発に至るアイデアの育て方

(後編)今ある不便をなくしていきたい。自社サービス開発に至るアイデアの育て方

スムーズなプロジェクト進行を可能にしたチームとコミュニケーション

イノベーションプランコンテストは2019年が初開催。おそらく運営も試行錯誤したこともあり、QRoutonは受賞から開発着手まで時間を要した。そのため、魚住は体制や全体像が把握できないまま進めざるを得ず、業務の領域外ではありつつも、ロゴはデザイナーに依頼せず、自分でデザインするに至った。

魚住:

ロゴも、アイデアが浮かぶ夜にひらめきました。ロゴの六角形は、QRoutonというサービス名と、スープに浮かべるクルトンの両方を表現しています。ロゴの六角形の中にはキューブ、つまりクルトンが収まり、下にひょろっとでている線はQRoutonの“Q”を表しました。

logo_org.png

最初だけ予想外の苦労はありつつも、いざ開発が本格的にスタートすると、苦労は無かったと言う。その理由は、仕事の進め方にあった。

KADOKAWA Connectedは、サービスの開発にあたって個々のロール(役割)を明確にしたサービス型チームを作る。このチームは、ロールにアサインされると、役割に応じた権限・報酬・責任を得られることで、各々が実力を発揮しやすくなり、チーム全体で成果につなげることができる仕組みだ。

そして、「スクラムマスター」という、スケジュール管理に従事する重要なロールがある。順調に進まないプロジェクトは、スケジュール設計の段階でメンバーの納得が得られず、結果としてタスクの遅延が起こりがちになる。この遅延を防ぐ役割を担うのが、スクラムマスターというロールだ。

魚住:

私と小林以外にエンジニアが5〜6名いてチームワーク良く連携できました。何よりスクラムマスターが優秀で、計画したスケジュール通りにプロジェクトを仕切ったことが大きな力となりました。そのお陰もあり、計画したスケジュールよりも前倒しで開発が進みサービスリリースができました。

QRoutonの開発は2020年10月にスタートし、21年4月にKADOKAWA社内でリリース、8月にBtoC向けに発表という計画だった。しかしながら、4月リリースを待たずに動作テストまで全ての開発工程が完了するという驚異的なスピードで進められたのだ。小林は、「他のプロジェクトだったら、この短期間では、半分も完成できなかったかもしれない」と振り返る。QRoutonのスムーズな開発は、何が鍵になったのだろうか。

小林:

まずは、サービスのコンセプトが明確だったこと。次に、魚住さんのプロジェクトへの関わり方が非常によかったということ。よい関与とは、仕様を的確な時期に決定して、仕様のドキュメント化段階においては、開発メンバーに誤解が起きないコミュニケーションがされていたことです。また、サービスを考える人と作る人、管理ができる人の3つが揃っていることも大きな鍵です。技術に長けたエンジニアだけで開発ができるわけではありません。魚住さんのようなサービスデザイナーが企画を考え、機能単位までイメージでき、開発者にきちんと説明することで、エンジニアが開発をできます。そして、プロジェクトを管理推進してくれる人がいないと、順調にサービスを提供することはできません。KADOKAWA Connectedには、各ロールで動ける人と仕組みがあるから自社開発を行えるのだと思います。

魚住自身が一番意識したのは、開発メンバーとのコミュニケーションにおける「お互いの開発言語の壁を取り払うこと」だと続ける。

魚住:

僕は前職の経験から、開発におけるフロントとバックエンドの両方の押さえるべき点について、ある程度の理解が出来ているというバックグラウンドがあります。そのため、開発メンバー間でコミュニケーションをとるにあたり、それぞれの立場に馴染みのある単語や、イメージしやすいように話をしたことも、スムーズに進められた理由だと思います。

目指すのはDXの百貨店。グループを超えて社会に価値を提供したい

QRコードは現実世界からウェブの世界につなげられる性質があり、この利便性を高めることで、さらなる浸透を目指し社会に価値を提供していきたいと二人は考えている。

魚住:

長過ぎるURLの印刷物を目にしますが、検索する時に不便ですよね。詳細を知りたいとき、QRコードをカメラにかざすという簡単なワンアクションで検索の手間をショートカットして必要な情報に到達できれば、多くの人に喜ばれると思います。

小林:

例えば障害者手帳や海外の方のIDカードに基本情報がQRコードで印刷されていれば、緊急事態においてQRコードで身元や持病が判明すれば対応スピードが早くなると思います。これは当事者のみならず、サポート側の人にも大きな安心をもたらします。広げて考えると、QRコードは社会の課題解決と価値創造につながる活用方法がまだまだ多くあるのではないでしょうか。QRoutonはQRコードの利便性を高め、社会に貢献する役割を担えるように開発を継続していきます。

Engineer Lab部のミッションは、「KADOKAWA Connectedが推進するDXに、Engineeringで貢献できる強力なチームを提供すること」。最後に小林から、ミッションの実現に向けて、どのような貢献ができるのかについて、日々の業務から感じることを話してもらった。

小林:

いざ何かを作るとなると多くの要望や提案が寄せられますが、そのままの言葉だと開発には繋げられません。相手の言葉には隠れた前提や本当の目的があるからです。そして企業には、独自の歴史、体制、文化など、言語化されない前提もあります。そのため、表層の要望を深堀して初めて深層の課題が見えてきます。寄せられる声の前提や課題を解きほぐし、相互に理解を深めながら、実際の開発を行うことで、KADOKAWAのDXを進める役割を担えるのだと思います。

「何か欲しいものはあるか」と問われても、見たことも聞いたこともないものを頭に描くことはできません。同様に、「何が問題で、どう解決してほしいか」と問われても答えるのは難しいものです。小林は、他所で上手くいった事例を複数見せることで具体的な解決方法を提案することが、組織の改善や成長に貢献するのではないかと考えました。そのコンセプトが「DXの百貨店をつくる」です。

小林:

百貨店には、世の中で認められているものが並んでますよね。私たちは、店頭から気になるものを自分で試して選んで買うという体験をしているのです。それと同じイメージで、KADOKAWA Connectedで作った既に実績があるサービスを並べて、『うちの部署でも、このサービスを導入したい』と言ってもらえるアプローチも必要だと思いました。すでに世の中に提供されたサービスを紹介して、KADOKAWAグループに展開する。そして、KADOKAWAグループの課題解決に貢献したサービスを、外販してより多くの課題解決に貢献するという好循環を生み出したいです。そして好循環を生み出す活動を通じて、KADOKAWAとKADOKAWA Connected双方の価値を上げていきたいです。

KDX Engineer Lab部のビジョンは「全ての開発メンバーが、働きやすく、活躍ができる環境をつくり、チャレンジしたくなる開発チーム」。このビジョンのもと、グループ内にとどまらず、広く社会に貢献するという強い思いとともに、小林と魚住は挑み続ける。 


■QRoutonのサービス説明はこちら:https://qrouton.jp/

■注釈:文中の「QRコード」は、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

■イラスト・漫画協力:かんべみのり

PROFILE

Engineer Lab部 部長
小林 美彦
KADOKAWA Connected Engineer Lab部部長。部門全体のピープルマネジメントを担いつつ、ストラテジストとしてシステムの開発プロジェクトや、新規・既存サービスの戦略策定の責任者としてメンバーの支援も行なっている。

Engineer Lab部
魚住 行広
KADOKAWA Connected Engineer Lab部所属。フロントエンドエンジニア、EC事業担当を経てWebディレクター。 最近は新サービスの企画・提案、既存サービスのグロースなどを行っている。

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