「人間にしかできないこと」を
追求したい

データマネジメントを推進するリーダーの胸中

売れる同人誌を「狙って」創作した学生時代

私がこの会社を選んだのは、エンタメ業界でエンジニアリングに携わりたかったからです。

エンタメは昔から好きで、学生時代は同人活動をしていました。でも、自分が好きなテーマを作品にしても全く売れなくて……。大学院進学を機に、創作活動は一度やめたんです。

活動を再開したのは、博士課程のときです。研究の気分転換で始めたとはいえ、せっかくなら売れるものをつくりたい。そこでWebのデータを解析して狙い目のジャンルを探して同人誌を出したところ、結果は大当たり。こんな学生時代を経て、趣味も経験も生かせるこの会社を選びました。

KADOKAWAのデータ活用を推進する気概

最初に配属されたのは、niconico事業のビッグデータ分析基盤を運用する業務です。ビックデータを分析していると、データの定義や個人情報の利用などの悩みが出てきました。データマネジメントを担う「データスチュワード」の役割をつくることを提案したところ、私がこのポジションに任命されました。

データの専門家としてキャリアを積んだ今は、KADOKAWAグループ全体のデータマネジメントを推進しています。主なミッションは「データ活用に必要な人材やツール、基盤システムの調達」「ソリューションの提供」「マネジメント体制の構築支援」の3つです。

グループ各社との連携が欠かせない仕事ですから、相談ごとには、相手のやりたいことを意識して提案するようにしています。大変な業務ですが、全社的なデータ活用の推進に関われることは私のやりがいです。価値を届けるために必要な知識は、たとえ専門外のことでも何でも学ぶことを心がけています。

データによって「人間にしかできないこと」を追求したい

私たちの部では「AIにはできない人間のコンテンツの世界を明らかにする」ことをビジョンとして掲げています。目指すのは、「何を、どうしたら、どのくらい売れるのか?」を予測できる未来です。

同人活動の経験から、データを使えば「何を」「どうしたら」「どのくらい」売れるか算出できることは分かっています。でも、売れる商品だけを追求するのは虚しくて。そこから私は、人間にしか生み出せない作品――アート的なものの必要性を信じるようになりました。

データで売れ筋を徹底的に追求することで、逆説的に「売れる商品がなんだ! 私はこれをつくりたいんだ!」という、人間ならではの発想をしてもらいたい。そんなアート思考を生み出したいと強く思っています。